介護タクシー開業をご検討されている方。集客や軌道に乗せるノウハウ、仕組みを提供します。
集客開業支援
人口減により多くの市場がシュリンクする中で、介護分野の需要は年々増加しています。
介護タクシーは保険制度に縛られない自費サービスとして、ご利用者の理解が得られつつあるサービスです。
1.集客支援
ご利用者を得る為の仕組みを提供。
2.機材調達
主に輸入品。高額な機材、備品なら割安です。
3.その他
同乗研修、情報提供、連携。
介護タクシーは他の事業と比べ、低コストで簡単に起業でき早期に収益化が見込めます・・・無責任な言葉が並びます。
多くは「介護タクシーをやっていない人」からの発信ですが、どんな事業であってもそう易々といくものではありません。
机上論や希望的観測ではなく、実際に介護タクシーを運営している立場から、現実的で実行性が伴った支援をします。
保証はありませんが、これまで成果が出せなかった事例はありません。
地域的な特性や事業者のスタイルにもよりますが、概ね、3ヶ月~で成果が出始めます。
開業前や開業直後は、なかなか思うように行かず焦りを感じる事もあると思います。藁にもすがる思いで、不必要なサービスを契約したり、
高い買い物をしてしまう事も。これらは大概「藁以下」です。無駄な労力、経費を使わないでも、自身の努力で営業可能です。
開業に必要な行政手続等は、行政書士のWebや運輸支局のサイトにも雛形がありますので、そちらを参考にすればご自身で作成、申請できます。
勿論、記載方法や手続きに関するサポートも対応可能です。
これから開業をお考えの方へ、実際に運営して感じた事など取り纏めてみましたので参考にしてみて下さい。
尚、これらは個人的な見解ですので正解ではありません。
資格さえ取れば開業可能・・・
近年、目にする事が多くなった福祉車両、UDカー。
高齢者施設や、病院等の送迎でも福祉車両が利用されていますが、介護福祉タクシーは、営業許可を取得し、福祉車両を用いて事業として搬送業務を行うものです。
開業の為には、介護資格と二種免許取得が必要ですが、取ってしまえば実務経験が無くても開業出来てしまうのが介護タクシー。
その為、事業者のバックボーン次第で質に大きな差が生じます。
誰かの役に立ちたい。高齢化社会だから需要が見込める。年金の足しに・・・
動機は様々。結果として、誰かの役に立ち喜んでもらえるなら、動機は何でも構いません。大事なのは「質」。
仕事である以上、収益や継続性は大事ですが、対価を頂く以上、見合ったサービスが提供できなければなりません。
介護タクシーは運送業の1つですが、介助を必要とする人を安全に目的地まで運ぶのが役割。身体に触れる機会が多いので、
触れる事に臆病であったり、経験値が不足しているとサービスが提供できません。
運転が好きとか、話すのが好き・・・だけでは仕事として成立しません。
申請から認可までには時間がかかります。この間に、特養や有料、グループホーム等の施設で経験を積んで下さい。様々な状態のご利用者と接し、
介助する機会が多いので、開業後のサービスに役立ちます。また、開業直後は仕事が思うように入りませんので、その間の収入源として継続できるのもメリットです。
中には介護現場に魅力を見出しそのまま職員になった人もいます。
顧客、市場、事業ドメイン
病院、介護事業所、在宅。ご利用者(顧客)はこの3つが主です。用途は
1.通院、入転退院。施設入転居。
2.プライベート(買い物、食事、旅行、冠婚葬祭等々)。
でのご利用が8~9割を占めます。
その他として、通勤通学等でのご利用もたまにあります。
病院からの要請は転退院が多く時間拘束されます。ベッドを空ける必要上、質より実が優先で、指定した時間に来る事が絶対条件です。
主に、病院職員、ソーシャルワーカーから依頼が来ますが、早くて1週間前。間際が多く時間帯も10~11時指定。この時間帯は他のご利用者の通院ラッシュ帯なので、
請けられない事の方が多いです。夜間救急対応(主に帰宅手段)もありますが、通常の送迎とは違い、ご利用者(患者)の状態が不安定な場合が多く、
1人では対応できないケースもあります。
施設関係は、指定時間に来てくれるのは勿論大事ですが、サービスの質は重視されます。施設側で手配した場合、対応の良し悪しをご利用者に確認しています。
コロナ禍以降、居室まで出向く機会は減っていますのでドアtoドアが殆どです。信頼関係が得られれば、継続的に依頼をしてくれます。居宅事業所は、
主にケアマネさんとの関係構築になり、ご利用者の多くは在宅です。
病院や施設は看護師や介護士さんが段取りますので、介護タクシー側の負担は少ないですが、在宅は他と比べ難易度が上がります。
生活空間の中でのサービスになりますし、状態や環境は個々に異なります。病院や施設の様な動線や人手がありません。
在宅の方のサービスであれば、できるだけ詳細な情報を貰い備える事が必要です。
生活保護の方の送迎もあります。役所職員やケースワーカーから依頼が入る事はあまりなく、多くは病院・介護事業所から。
介護タクシーの対応は分かれます。請けない業者は役所の対応に不満があります。自治体事に請求方法やフォーマットが異なり手間が掛かる上、
手形並に決済期間が長い。又、経過に関しての案内は一切なく、書類が届いたかどうか。いつ振り込まれるのか。も聞かないと分からない。
受け身の仕事なので敬遠されます。
新規、リピーター、Spot。特に、リピーターさんは事業を左右する大きな財産です。リピーター獲得については、他で触れていますのでそちらをご覧ください。
Spotは、転退院や救急対応等、一時的、一見の利用となりますが、後に繋がる事もあります。新規のご利用は、施設、病院、在宅など、
自社を始めて利用する方を指す場合が多いですが、介護タクシーが初めてと言う方も大勢いらっしゃいます。最初に利用した業者の対応如何で、業界全体が評価される事もあります。
リピーターさんも最初は新規。いずれのご利用者であっても、最善の対応を心掛ける事は言うまでもありません。
保険タクシーや有償運送、福祉キャブ等、似たようなサービスがありますが、開業条件はそれぞれ異なり、ご利用される方も棲み分けされます。
保険タクシー、福祉有償(福祉キャブ)は、透析患者さんの様に、帯(週数回/時間固定)で利用される方が多く、
介護タクシーのご利用者は流動的なので、帯の依頼は請けるのが難しいです。競合先としては、車椅子乗車が可能な一般UDタクシーですが、
事業社は積極的に対応していませんし介助は出来ません。現時点で脅威となるコンペ先は存在していません。今後、ライドシェアや乗り合いタクシーなど、
需要の高まりに合わせた変化はあるかも知れないですが、むしろ、医療制度の変革やIoT、AIの進化が脅威です。通院しないで診察できれば必要とされなくなります。
開業に際し、タクシーだけでは不安と感じ、生活支援(便利屋)を付随している所もありますが、オーダーが入る事はまずありません。
それぞれの領域でシェアを握る専門業者が多々存在しており、リソース面で勝負になりません。介護タクシーを事業ドメインと定めたなら、脇目を振らず安定するまで専念です。
ドメインを決めると言う事は、戦わない領域を決める事にもなります。自身の労力と売上が比例する「労働集約型」事業の並行は、
被ればどちらかを諦めなければなりません。余裕が出来れば考えていいでしょうが、軌道に乗ると他の事には手が回らなくなります。
商圏は住まい(事業所)から10Km圏内が中心ですが、ご利用者の発着地はバラバラですので、移動時間がかかります。1時間で1件しか出来ない事も日常で、
転退院や中距離(20km~)、長距離(50Km~)があれば、午前中1件、1日1件と言う事もあります。5km先のご利用者が10km先の病院へ通院。
次の方は反対方向でそこから20km離れている・・・2名対応するのに3時間はかかります。「今日はもう一杯です・・・」件数が多くて一杯と言うより、
時間的余裕が無く請けられないのが実情です。1人で行う場合は、時間帯や送迎先などの状況が上手く噛み合っても1日5件(往復すれば10回です)
が限界でしょう。
介護タクシー事業は3M(無理・無駄・ムラ)の塊です。無理=能力を上回る状況=同時間帯に重なる。無駄=能力を下回る状況=移動や待機等の空車時間。ムラ=無理無駄が不規則に生じる状況。
予約制で仕事を請けますが、ご利用者は時と場所を選びません。土地勘や要領を得るまでは余裕を持った対応が望ましいです。
事業者
介護タクシー事業者の9割は個人事業です。
年齢層は50~70代までとシニアが多く40代なら若手です。そもそも、産業として認知されていないので、運送や介護に関わる中で知り開業するパターン。
廃業するケースは年齢的にキツくなった時。年々体力は落ちます。集客できなく諦める人もいるようです。スタート時期が遅めですので、営業年数は他の事業と比べ
短いでしょう。
研修や試験講習。個人で営んでいる所は出来ません。出来ないと言うより、やらないと言った方が正しいでしょう。法人であってもやっている所は少ないと思われます。
また、準拠すべき業界標準・基準や体系的なカリキュラムが存在しておらず、開業時に運輸局から渡されるパンフレット程度。一般タクシーのような、
地理試験や講習は無く、国家民間認定の資格もありません。二種免、介護資格が兼ねている状況。個人事業は、企業の様な人事考課や査定とは無縁の「ゆるい」環境です。
マイペースでのんびりやれればそれで良し・・・的な事業者も散見されますが、どうするかは本人の自由。全ては問題意識による自己研鑽。進化も退化も本人次第です。
「タクシー」ですので男性ドライバーが多く、女性ドライバーはまだまだ少ないです。女性ドライバーは動機が純粋で、介護職や家族介護の経験がトリガーとなり開業する。
その為、体力的なハンデはありますが、総じて男性よりホスピタリティやポテンシャルは高いと感じます。
院内付添や整容含め、女性ドライバーを希望するご利用者も多く、男性より活躍の場は広いのですが、タクシーに対するイメージや二種免許にハードルを感じるようです。
二種免許取得は然程難しいものではないので、是非、挑戦して頂きたいと思います。
法人で運営している所もありますが、介護タクシーのみの所は少なく、別事業を並行している所が殆どです。介護事業や福祉事業など、
親和性やシナジー効果が期待できる事業が中心ですが、帯で固定の仕事が入りますので、ヘルパー・ドライバーと明確な職種分けができない事業所は、
介護タクシーは空き時間で行う派生業務的な位置づけになります。ヘルパー・ドライバー掛け持ちなので、タクシーに専念できないジレンマも出て来ます。
メリットとしては、介護事業所番号を取得できますので、保険タクシーが運営できる点。
介護タクシーや福祉輸送業者向けの協会も存在しますが、入会しても殆どメリットありません。義務も強制力も無いので入る必要はありません。
設備装備
開業に要する資金、期間。初期投資や運転資金で最低300万くらいは必要です。申請から認可まで半年程度はかかります。
車両に掛かる費用が大きく、どれを選択するかで必要な資金が上下します。
新車である必要はないので、中古で抑える。リースする。等、負担を抑える方法はあります。
乗用車でも出来ますが、流石にセダンで開業する人はいません。
車椅子用のリフトやスロープが装備された1BOX、ミニバン、軽ワゴン・バン。いずれかになります。
1BOX:ハイエース、キャラバン
多くの事業者で使用されています。メリットとして、多人数、積載等にキャパがある。デメリットはベースが貨物・商用車なので、乗り心地が悪い。
グレード、バリエーションが多いので、仕様をしっかり確認しましょう。
ミニバン:ノア、セレナ、ステップワゴン、アルファード等
市販モデルを車椅子積載可能なレイアウトに変更したもの。仕様によって、車椅子2列目or3列目固定。もしくは2基搭載可能がありますので、
目的に合わせ選んで下さい。ストレッチャーやフラット状態のリクライニングを使用したい場合は、車椅子2基搭載タイプになります。
軽自動車:ハイゼット、N-BOX、アトレー等
搬送できる対象が制限されますが、ご利用者+付き添い1、2名に特化、割り切れば十分使えます。
車種によっては、リクライニング車椅子(フルフラットにはできません)までなら積載可能なモデルもあります。
どの車を選択するかは、車庫にも左右(開業申請時車庫の規定あり)されます。決して安い買い物では無いので、自身の事業計画、搬送対象を吟味し、
後悔しない選択をして下さい。通常、ご利用者以外の同乗者は1、2名。たまに3名もありますが、通院や入転退院で付添6、7人。なんて事はありませんし、
搭乗人数はあまり気にしないでも良いです。尚、福祉車両にはシートスライドモデルがあり、これは車椅子移動車にならないので選択肢から外れます。
タクシーメーター
距離時間制で申請した場合、必要なものです。プリンタ一体型や分離、運賃のみ、ETC連動、介助料が追加できるものなど多様。
イエローハットやオートバックスでは買えません。専門店で購入、取り付けとなります。取り付け費入れて20万以上かかります。
車両の次に費用がかさむのが装備備品。介護タクシーに必要なアイテムとして車椅子は欠かせません。
お持ちのご利用者は多いので、貸し出す頻度は半々くらいですが、無いと仕事にならないので、予備含め2基は必要になります。
入手経路に始めは戸惑うでしょうが、Amazonで売ってます。福祉用具業者から購入するメリットは介護タクシーにはありません。消耗品と割り切りましょう。
仕事上、必要な備品ですが場所を取ります。保管場所の悩みを抱える事業者が多いです。前途の通り、個人事業の人が多いので、事業所=自宅となり、
スペース確保が難しい。特に、ストレッチャーや折り畳めないリクライニングは困ります。外に雨ざらしする事も出来ないし、
リビングに置いておけるサイズではありません。大型の車両を使用している業者は、車に積みっぱなしの所もあります。
保管の為にコンテナを借りる・・・レンタル代、取りに行く手間が。悩ましい問題です。
汎用車椅子:介助式、自走式
介助式、自走式がありますが、介護タクシーで使用する場合は自走式が良いです。幅がありますので、ハンドリムを外せば狭い場所での取り回しが楽になります。
介護タクシーのご利用者で、自身でリムを回し移動される方は殆どいませんので、外しても支障ありません。1~3万円で買えます。国内メーカーだと5万以上します。
リクライニング車椅子:
バリエーションが多いのが特徴です。背もたれの角度、肘掛けの脱着、フット開閉・取外し等々。
ご利用者の状態にフィッティングさせる為、機能も様々です。介護タクシーで使用する場合、汎用的に使えるモデルが良いですが、
ストレッチャー兼用タイプを選んでおけば、大体のご利用者で使用できます。高さ調整は出来ませんが、介護ベッドならベッド側で上下できます。
背もたれ上部を外せば普通の車椅子としても利用できます。価格は高めで国内メーカーだと10~20万します。通販で3~5万程度。
ストレッチャー:
介護タクシーでは出番は意外に少ないです。民間救急も視野に入れているのであれば、持っていてもいいですが、フルフラットのリクライニングでも代用できますので、
敢て持つ必要はありません。種類も多種多様なので、購入は様子を見ながらで良いでしょう。介護タクシーはスロープorリフトで乗降しますので、救急車が利用している足折れ式は適しません。
ハンドルでベッドが昇降するタイプを使います。国内、海外製ありますが、ファーノ(アメリカ)オーデン(イギリス)製が有名。但し高額です。50万~。国内で20万~程度。
車両の次に高額な機材。事業が軌道に乗ってから考えても遅くないです。
始めのうちは、車椅子1台、折りたたみ出来るフルフラットリクライニング1台で良いと思います。
リクライニング、ストレッチャー。ブランドに拘りが無いのであれば、通販で半額以下で購入できます。殆どのモデルは中国生産なので、
「Ferno」のロゴに憧れが無ければ、機能は同じなので実用上の問題はありません。ブランドなど誰も気にしません。
その他の備品:
担架
布担架、フレーム担架がありますが、フレーム付担架は殆ど使えません。個人宅では、リクライニング、ストレッチャーでベッド側まで行く事が難しい場合があります。
機器のサイズや構造とご自宅の動線に制限がある為です。フレーム付担架も同様です。
布担架は狭い廊下でも搬送できますが、湾曲しますので骨折等で痛みがある方には使えない事があります。痛みが強く動かせない状態の方の搬送は、基本、救急車です。
介護タクシーで担架を使用するケースは、ベッドから車椅子、ストレッチャーへの移乗、室内から外への移動で、患者さんに負担(痛み等)が無い場合に限定されます。
また、担架で移動する際は、二人以上の対応が必要です。5千円~
昇降機
主に階段介助で使用する物ですが、人力でも出来るので利用頻度は多くありません。用意する必要性は低いです。
価格は高額で、有名なのは「スカラモービル」。購入となると中古の福祉車が買える値段です。中国製の昇降機は「らく段」等の名称で国内販売されていますが、
購入先により価格が大きく変わります。女性一人でも介助できると謳っていますが、直線階段の昇降時だけの話。キャタピラーが仕事しますので女性の力でもなんとか。
と言うレベルです。機器単体で40~50Kg近くになります。ご利用者乗せれば100kg。階段と言う傾斜、前後のスペースでの転回や車への積み下ろし。
小脇に抱えて上層階まで迎に行ける重さではありません。相応の力が必要です。
無理して揃える機材ではありません。許容以上のご依頼が来たら、対応できる事業者を紹介した方が無難です。
スクープストレッチャー、エアストレッチャー
スクープは、アルミやプラスチック素材で、分割、長さ調整する事ができます。脊髄損傷や大腿骨骨折等の怪我した人を移乗、搬送する際に利用します。
エアストレッチャーは空気で膨らませ身体を固定させる使い方が出来るので、主に災害や救助、救命救急現場で使われます。
価格は安価ですが、介護タクシーのご利用者であれば出番はありませんし、一人介助では対応できません。
あれば便利
・移乗ベルト、ずれ防止ベルト等の補助用具は持っておくと安心です。Amazonで買えます。
・ジャンプスターター。バッテリー突然死の備えに。
営業、集客
開業して最初に立ちはだかる壁。皆さん苦労します。どんな事業でも、最初は苦しい状況が続くもので、介護タクシーのように「待ちの営業」なら尚更。
垂直立ち上げが難し業種です。介護事業所や病院等へリーフレット持参で挨拶回りしても、なかなか仕事には繋がりません。どこの業者もやってる事です。
営業回り
施設は、特養や有料等の居住型施設や、ディサービスの様な通所型の施設、或は、地域包括支援センター等、多種多様です。
介護タクシーのご利用者は、居住型施設や居宅介護事業所が中心になります。通所型には殆どニーズがありません。
事業所は多数存在し新設も相次いでいます。把握しきれません。施設の送迎機会は頻繁にありますので、
その際にパンフを渡すのが現実的です。挨拶のみのアポ取り・訪問は正直迷惑です。職員さんも忙しいですし、ケアマネさんは不在がちです。
大学病院や総合病院クラスはパンフ置いて帰るだけ。救急指定の病院には需要があります。夜間はどこも困っています。
介護タクシー業者の中には、24時間対応と謳っている所がありますが、対応している所は少ないです。時間外に要請すると「お酒のんでしまったので・・・」等、
出鼻を挫く常套句。深夜早朝帯は電話にすら出ません。一人事業者で24時間フル稼働は現実不可能です。
寝不足で翌日の送迎は危険です。開業直後は予約は少ないので、深夜早朝帯に注力するのも有です。
但し、救急指定は日中と夜間では運営体制が異なります。夜間帯の事務方スタッフは派遣の方が主体なので、日中に行っても夜間スタッフに伝わらない事があります。夜間帯に行って下さい。
ブルーオーシャン
病院、施設は誰もが営業する対象。狭い市場ながらレッドオーシャン。
多くの事業者が見逃している市場。潜在ニーズ。探すと結構あるものです。相手先も介護タクシーの存在を知らなかった。となり、関心を示してくれます。
身近にもありますので、同じ労力を掛けるのであれば、これらの潜在ニーズにアプローチするのも有効です。
フランチャイズ、グループ
営業や集客に自信が無い。出来ない・・・であれば、加盟金やらロイヤリティが必要ですが、どこかのFCやグループに入って、仕事を回して貰うのも手段です。
仕事以外にも、情報交換や協力関係が築けますので、資金的な余裕があれば検討するのも良いでしょう。
メリットとして
・本部からの依頼で請けれるので、営業や集客の手間が無い。
・加盟業者間で仕事の融通ができる。
・許可申請もサポート。
・勉強会や懇親会の企画がある。
デメリットとして
・高い加盟金、本部への手数料。
・期間の縛り、直受注を認めない。等の制約事項。
・個人事業でありながら、自由が利かない。
・自分のご利用者。との意識が薄れる。
どれだけ仕事を回してくれるか知りませんし、殆ど仕事は回ってこない。との話も聞きます。
介護事業と抱き合わせであったり、サポート内容が異なったりと、事業者によって内容が異なりますので、説明会等でしっかり確認して下さい。
チラシ、リーフレット類
病院や施設等に置く以外にも、ご利用者から求められたりする事もあります。ワードや専用ソフトで自作も出来ます。
また、駐禁除外の申請時に、事業を証明する物が必要になりますので、添付資料として使えます。個人事業であれば、
連絡先等の個人情報がダダ漏れになりますので、どこまで記載するかは検討した方が良いです。
配車センター・私的グループ
登録制や仲間内などで、数台が集まって仕事を割り振るスタイル。入会金や手数料の有無はそれぞれが独自に決めています。
いずれであっても、運営主体が「何処なのか」は確認する必要があります。法人運営・個人運営など形態が様々です。
中には「良いとこ取り」するグループもあり、単価の高い仕事は主体者(社)がやり、それ以外を他に振るグループも存在しているようなので注意が必要です。
独り立ちの自信がついたら抜ければ良いですが、加入後◯年の拘束期間や退会金が必要な所もありますので、加入前にしっかりチェックしておきましょう。
口コミ、紹介
ネットの口コミでは無く、ご利用者や介護タクシー仲間からの口コミや紹介。信頼度が高いので、ご利用者も安心して依頼されてきます。
最も確実な集客で、インパクト大です。無論、紹介してもらう為には、ご利用者や仲間との信頼関係構築が不可欠です。ネットの口コミについては、
ぐるなびの様な専門サイトは存在しませんし、介護タクシー自体、評価されにくい業種です。
Web集客
聞かれる事が多いですが、皆さん、Webを過信しているように思えます。
「介護タクシー」で検索される回数は悲惨的に少ないです。
BigWord,MiddleWord,SmallWordと言うランク分けが存在しますが、介護タクシーはSmallWordな上、超ニッチなカテゴリです。
スイーツやラーメンと言った、一般的な商品やサービスと比較し、数桁違いの少なさ。まして地域性が強いサービスですので、
対応可能範囲に限定すれば新規は月に数件。一度閲覧された方は二度見しません。これが現実です。SmallWordがダメだと言う事ではなく、対策方法も存在しますが、
数少ない検索を受注に繋げるには、相応の工夫と費用が必要になります。
・業者に委託
見栄えのするお洒落なサイト。大金はたいて業者に作らせたがさっぱり・・・小奇麗に越したことはありませんが、決定打にはなりません。
ご利用者はデザインを見たくて検索する訳ではありません。閲覧5秒。離脱率とか直帰率と言いますが、パッと見て、必要な情報が無ければ他へ行ってしまいます。
最近のWebサイトは手の込んだ作りの物が多いですが、業種によっては逆効果となる場合があります。
特に、介護系医療系は年齢層の高い人が閲覧しますので、デザインに関心はありません。
病院や施設関係のサイトが、比較的オーソドックスな作り方をしているのはその為。
製作費は制作会社によってピンキリですが、ペライチのランディングページで~30万。Webサイトでコンテンツを複数作成すれば100万超えます。
Web制作会社は、制作のプロであっても、クライアントの仕事や業界を知っている訳ではありません。知識的には新入社員以下、精々、面接前の学生レベルの情報しか
インプットされていません。制作を発注したとたん、◯時からヒアリングします。データを出して下さい。画像ありますか?・・・となります。
SEOだのコンバージョンだの意味不明な用語が飛び交い、依頼者はこの段階で辟易としてしまいます。制作会社でなくとも、フリーランスや副業で制作しているクリエーターに依頼する方法もあります。
費用もリーズナブルですが業界知識は有りませんので、原稿等、全て用意できる事が前提です。
・自作
パソコンには慣れている。WORDもEXCELも使える。使えると作れるは別物です。
スクラッチでの制作はハードルが高過ぎます。今では、ワードプレス等のCMSが普及しており、Web制作会社でも利用されています。
テーマやテンプレートが豊富に揃っていますので、未経験でもある程度のものは制作できます。
難しいタグやコードを覚える必要もないので、ソースを意識しないで作れるのが魅力です。
商用サイトはお客さんに見てもらい、仕事に結びつける為の手段です。見易さや選びやすさ、使い勝手が優先です。配色、パーツや素材、ロゴ等、
閲覧者の邪魔にならない様、配慮した設計をしましょう。
・紹介サイト
サイトの更新やコンテンツの追加もなく、何年も塩漬け状態になってサーバーの肥やし状態のサイトは幾億もあります。
多くは「名刺代わり」として、ネットに置いてあるだけ。
コーポレートサイトならそれでも良いですが、集客、一般消費者がターゲットであれば、これでは結果が出ません。砂漠の1粒とまで言われるくらい、
インターネット上にはサイトがひしめいています。介護タクシーを開業し、Webの利用を検討するなら、サイトを持たなくても利用できるサービスがあります。
紹介サイトや配車アプリと呼ばれるサイトです。まずは、それらのサイトに登録してみる。反響は未知数ですが、お試しでネットを使ってみるには有効です。
運営先に問い合わせてみて下さい。
紹介サイト
介護タクシー案内所。全国各地の介護タクシーを紹介しているサイトで、無料で掲載してくれます。プリントアウトして、一覧表として利用している施設、病院もありますので信頼度は高いです。
事業社一覧以外にも、介護タクシー業者には参考になるコンテンツが用意されています。
配車アプリ
一般タクシーの介護タクシー版のようなもの。数年前にモニターをやりましたが、まったく使えないものでした。
現在、数社からリリースされているようで、改良もされているでしょうが、定形化できない要素が多い介護タクシーでは、
ドアtoドアで完結できるシンプルな案件が中心になるでしょう。1配車事に結構な手数料を徴収されます。
集客には様々な手段がありますが、元請けやツール依存の集客は他力本願です。
直のご利用者の割合を高め、その他の販路は+α程度に考えるのが良いです。
顧客満足
どんな事業でも必ず出て来るのが「顧客満足・CS」
事業の内容によって、対象となる物事は異なりますが、集客やリピートに繋げ、ヒット商品、人気店になる上で重要なものです。
満足を知る前に、自身が行う事業の「当たり前品質」を知る事が大事です。
「当たり前品質」とは、あって当たり前、出来て当たり前。と言った、お客さんが「当然」と思っている品質です。
例えば、
牛丼であれば「美味い・安い・早い」CMの影響もあるでしょうが、お客さんの満足を左右する刷り込み済みの「当たり前」です。
介護タクシーはあまり馴染みの無いサービスなので、初めて利用する方はまったくイメージが湧かないと思います。
「介護」か「タクシー」か、どちらに重きを置いているかで評価が変わります。介護サービスの一種と見ていれば「介助接遇」、
タクシーの一種と見ていれば「地理に詳しく運転上手」、合わせ技と見ていればその両方。が「当たり前」と思われているかも知れません。
どちらも間違いではありませんが、人の命を預かるサービスですので、「安心・安全・親切・丁寧」が「当たり前」ですし、介助接遇も地理運転も、これが出来て成立するものです。
感覚的でご利用者の主観による所が大きいので、なかなか難しいものです。
急な要請なら、質よりも実が優先され「来てもらえただけで有り難い」となりますが、サービス中の対応がNGだと満足もふっ飛んでしまいます。
この「当たり前」のどれか1つでも欠けた状態が「不満」になります。価格に見合った「中身」が提供できていないと言う事です。
対価 > 中身 = 「不満足品質」とのジャッジが下ります。一度下された判定は覆りません。なぜなら、二度とゴメンだ。となってしまうからです。
事業者は、毎日何人ものご利用者を送迎しますので、
何かアクシデントが有ったり、印象的な出来事が起きない限り、ご利用者全てを記憶するのは難しいです。一方、ご利用者にとっては、たまに使うサービスですので、長く記憶に留まります。
他社を利用していれば、そことの比較もされます。「介助が苦手で運転は乱暴。態度は横柄で仕事が雑」4拍子揃っていると思うなら、この仕事には向きません。他の仕事も無理です。
ご利用者・お客さんは対応に敏感です。
顧客満足。実はシンプル
製造業では「QCD」、非製造業なら「QPS」。重視される要素です。
Quality(クオリティ)・Cost(コスト)・Delivery(デリバリー)・Price(プライス)・Service(サービス)の頭文字を取ったもので、最近では「QCDS」と
業態に関係なく、共通の指標とされているようです。
製造、非製造関係なく「Q」が最初にある通り、日本は「質」を重視します。機能性、耐久性、安全性等々、あらゆる面での完成度を求める傾向があります。
工業製品であれば評価もし易いですが、接客やサービスは、提供する「人」に依拠するもので、属人的な仕事です。
サービスを受ける側の満足のツボも個々に異なります。万人が満足・・・とは行きません。
顧客満足は当たり前品質を保った上で、お客さんが予想もしていなかった付加価値を提供できた瞬間に得られます。
付加価値は事業者目線では提供できません。マーケットアウトの目線でご利用者やご家族と接します。
介護タクシーのご利用者は、様々な状況、状態にあります。誰一人として同じではないので、悩みや困り事様々です。
それらを感じ取り、声掛けしたり、解消したり、手伝ったりするだけでご利用者は喜ばれます。
良い意味での裏切りで、相手を驚かせる事が出来れば、それが「満足品質」となり、顧客満足が得られます。
蛇足ですが「慣例に従い融通が利かない」「書類が多く面倒で分かり辛い」「たらい回しされ時間がかかる」。属に言う「お役所仕事」。
形式化、非効率で不親切な仕事を皮肉ったものです。悪い例の「当たり前品質」ですが、端から期待されていないので、
どれか1つでもスムーズだと満足品質に化ける例外もあります。
リピーター獲得
リピートが多い人気の介護タクシーは、自然と気配り目配りができ、さりげなく、ご利用者・ご家族に付加価値を提供しています。
洞察力とかアンテナ感度が高いとか、本人の資質に依る所もありますが、気付きを行動に移せるか否か。センスと言えばそれまでですが、
対価以上の満足を提供でき、ご利用者に好かれている人気のドライバーに共通する資質のように見えます。
リピータさんが増えれば、商圏内で同業が2社3社増えようが大勢に影響ありません。ご利用者のハート鷲掴み。余人をもって代えがたい。
月間100名前後の送迎を行い、その内、リピーターさんが8割を占めるスーパードライバーも実在します。
信頼を得るのは難しいが、失うのは一瞬。
政治の信頼回復に・・・良く聞きますが、そもそも回復する信頼があったのでしょうかね?
言葉遊びかも知れないですが、満足の積み重ねの上に信用があり、信用を重ねた先に信頼がある。信用は「信じて用いられる」信頼は「信じて頼られる」
信頼が得られれば、ご利用者のベンチマークとなります。自身の強み、知識経験、特性を活かし提供できる事は幾らでもあります。
あなたならではの「質」を磨いてオンリーワンを目指して下さい。
安定後の課題
軌道に乗れば乗ったで、新しい悩みが出て来ます。
予約が重なる。介護タクシーのご利用者は病院関係が主です。時間帯は午前が多く、同じ時間帯に集中しますので、
失注率が高くなります。また、バッティングには帰宅時間が重なるケースも含まれます。午前に行けば、大体、お昼前後。
午前中に数人送迎していれば、午後の予約を請けるのに躊躇します。仕事が増えると、増車増員を考えるようになりますが、
平準化できる性質の仕事では無いので、介護タクシーのみでは維持が難しいです。法人化し雇用し増車すれば経費も増えるので、
より仕事を確保し稼働率を高め、単価も上げる必要が出て来ます。人の確保、事務処理等々、負担が重くのし掛かります。
協労関係構築
ご利用者が増えて来たら、他のタクシーとの協労体制を作るのが効果的です。
同業者同士のコミュニケーションは希薄傾向ですが、一度接点が出来ると、継続的な関係に発展する事もままあります。きっかけの多くは、
仕事のオーバーフローや予想外の事態での代行依頼。助け助けられの関係が作れれば、三方良し(顧客・相手・自身)となります。
個人事業でやっていくのであれば、波長が合う人と協労関係を作る。「何をするかより誰とするか」が重要と言われます。
協労するに当たり、料金体系等が多少異なっていても大きな問題にはなりません。大事なのは相手を尊重する事。知識や情報は共有できますが、マインドは共有できません。
それぞれ異なる価値観がありますので、独善的では協労関係を構築する事はできません。皆離れてしまいます。
「共に喜ぶのは2倍の喜び、共に苦しむのは半分の苦しみ」ドイツの諺ですが、「相棒」と呼べる仲間が居ると、仕事の幅、量が広がり、質も磨かれます。
営業圏拡大
営業圏は事業所が所在する「都道府県」となりますが、接する県外地域への拡大もできます。開業後3年が経過し、拡大対象地域にある事業社(介護事業所や病院等)からの要望書添付。
が条件で、事業計画変更と合わせ申請します。審査が通れば、申請地域も発着地と出来ます。県境に事業所がある介護タクシーであれば、隣接する他県のご利用者からの問合せ、
依頼も少なくないと思います。通常、営業エリア外で違反となり請けられなかった送迎でも、認可されれば対応が可能となります。
危機管理
個人事業者にとって、危機管理は重要になります。今日は元気でも明日の事は分かりません。
病気、怪我、家庭事情・・・自身の身に起きるリスク。車のトラブルや事故もあります。さらにはパンデミックや自然災害と言った予測不可能な変化も。
毎日、リスクと最中合わせで仕事に向き合っています。万が一の事があれば、頂いた予約、仕事が出来なくなります。BCPとまでは行かなくとも、
日頃の備えとして予約管理だけでもしておきましょう。
・日時、場所
・ご利用者
・連絡先
予約を受けた際、一覧表でも受注表でも、何でも良いので5W1Hを基本に記録する習慣を持ちましょう。
リピーターの予約などは勝手が分かっているので、メモか頭の中に留めてしまいがちですが、送迎が出来ない状態になってしまうとご利用者に迷惑がかかります。
仲間に頼むにしても、誰かに連絡して貰うにしても、詳細が分からなければフォローできません。サービス提供側の責務です。
支援費用、条件
介護タクシー開業に対し、楽観的な支援サイトが多い様なので、負の面から記載しましたが、勿論、これらの状況、課題を克服する事は可能です。
営業許可申請を行って、認可が下りるまでに行う事、出来る事は沢山あります。認可を待つ必要はありません。
貴重な時間を無駄にせず、種まきを早期に行う事で、認可後の営業がスムーズになります。
その為の仕組みを提供します。
支援対象
開業を検討中、又は必要な手続きを進めている方。
当方で支援可能な地域となります。遠方はZoomやメールでの対応可。
既に支援させて頂いている地域、事業所所在地が被る場合。その他の状況によって、ご要望に沿えない場合もあります。
1.成功報酬 年商換算の3%~5%
事業所所在地周辺の特性に合わせ、マーケティングから実装までご支援します。
遠方の場合、全てのメニューは提供出来ませんので個別清算となります。
請求は1度のみで、結果が出なければ報酬は請求しません。
詳細はお問い合わせ下さい。
Copyright(c) 2018 Silver Taxi. All Rights Reserved.